海老蔵の勧進帳 [歌舞伎]

7112652[1].jpg

毎年、5月、歌舞伎座での「團菊祭」を、楽しみにしています。「團菊祭」は、昭和11年、九代目市川團十 郎と五代目尾上菊五郎の没後33回忌をきっかけに、この二人の名優を顕彰して始められたそうですに。

九代目團十郎は、歌舞伎や、歌舞伎役者の社会的な地位向上に尽力した人物と言われています。市川家に伝承されている、「歌舞伎十八番」を積極的に演じる事に加え、彼自身が、「新歌舞伎十八番」(人気狂言の鏡獅子等)を制定しました。また、九代目團十郎は、型が重要だった歌舞伎に、その役の人間性、精神性を投入したと言われています。これは、鎖国していた日本に。明治になり、新しい演劇も西洋から輸入されてきた影響とも言われています。

また、五代目菊五郎は、能狂言に題材を取った、「茨木」「素襖落し」などに歌舞伎音楽を加えた「新古演十種」を世にだしました。この名優二人が同時代に活躍したこともその後の歌舞伎にとって、幸運だったと思います。

戦争中や、戦後の危機を乗り越えて、「歌舞伎」は博物館に入ることなく、多くの日本人に支持され、現在もなお、人気を保っています。

この5月の「團菊祭」で、来年13代市川團十郎襲名が決まった、海老蔵が、

歌舞伎で最も人気のある出し物、「歌舞伎十八番」でもある、「勧進帳」の「弁慶」を演じました。九代目が提唱した、「型に魂を注ぐ」ことを、体現してくれた、素晴らしい「弁慶」でした。19歳(当時新之助)から、何度か演じてきた役ですが、42歳になって、やっと、型に魂が入り、それがオーバーフローする事無く、型も美しくエネルギーに満ち満ちたものでした。長寿社会になり、現在、42歳はまだまだ若い!と言われていますが、パフォーミングアーツの世界では、40歳台は「心・技・体」が最も充実する年代と思います。(特に男性は)

これはオペラでも、言えます。イタリアのテノール歌手、ヴィットリオ・グリゴーロと海老蔵は同じ年代です。これから、この二人の「旬」を楽しみたいと

思います。Kiki


タグ:歌舞伎
nice!(0)  コメント(1) 
共通テーマ:演劇

nice! 0

コメント 1

水野隆夫

いいですね!教養をつけさせていただきます。
NICOのブログもご覧ください。
by 水野隆夫 (2019-06-20 20:23) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

サロメNew  Tenor !! ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。