ジェシー・ノーマン [音楽]

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アメリカ人の黒人のソプラノ歌手、ジェシー・ノーマンが、先月9月30日に亡くなりました。74歳でした。

150KGは越すと思われる巨体から生まれる、彼女の声は、他の誰とも競べることが出来ない、独特な色でした。加えて、彼女の音楽は非常に洗練されていて、黒人霊歌でさえ、崇高と言える印象を

聞き手に与えました。オペラへの出演は、限られましたが、彼女のリサイタルは、彼女の音楽と声

とを、充分に吟味して整えられたものでした。特に、かつて、フランスの名バリトンの、ピエール・ベルナックの薫陶を受けた、「フランス近代歌曲」、デュパルクやプーランクは、彼女の演奏によって、新しい魅力を聞き手に与えてくれました。

私にとっての、大きな思い出があります。2011年12月、世界的な歌曲伴奏ピアニストである、ダルトン・ボールドウイン氏の80歳の記念コンサートがニューヨークで開かれました。私もダルトン先生のお誘いもあり、コンサートで歌わせていただきました。このコンサートに、ジェシーも駆けつけました。

そして、アカペラで黒人霊歌を、ダルトン先生の伴奏でプーランクの「愛の小径」Chemin  de  l'amour  を歌いました。偉大なソプラノ歌手が歌うと言うより、まるで、天から(神様から?)のお使

いが、地上の人々へのメッセージを届けにきたのでは?と思わせる、貴く、素晴らしい演奏でした。

May her  soul  rest  in  peace!!    Kiki

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