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王様と私 [ミュージカル]

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ミュージカル・「王様と私」は1951年、ニューヨークのブロードウェイで初演されました。1956年には、ユル・ブリナーとデボラ・カー主演で映画化されています。ユル・ブリナーは、ブロードウェイの初演の舞台で、「王様」の役を演じ、映画にも主演しました。その後のハリウッドでの活躍(荒野の七人等)は、良くご存知と思います。

その「王様」の役を、日本の俳優「渡辺 謙」が演じる、「王様と私」を見に行ってきました。このプロダクションは、ブロードウェイ(2015年)からロンドンウエストエンド(2018年)に移り上演され、今回の東京公演は、ロンドン版の引越し公演でした。

Annaを演じた、ケリー・オハラは、2015年ブロードウェイ時の舞台が、評価され、アメリカの舞台

の最も権威のある賞である、トニー賞のミュージカル部門の主演女優賞を獲得、渡辺 謙は、主演男優賞にノミネートされました。

以前、ブロードウエイで、「ウエストサイドストーリー」「サウンド オブ ミュージック」「オペラ座の怪人」、ロンドンで、「キャッツ」「オペラ座の怪人」を見た事があります。この時感心したのは、歌唱力の

レベルの高さでした。ソロや、アンサンブルで、主役級の俳優はもとより、脇役の俳優達も、「歌」の場面で、誰一人、下手な俳優はいませんでした。今回の「王様と私」でも、それを感じました。

ブロードウェイの場合、演目によって、「歌唱」を主とする役と、ダンスを主とする役の分業があると聞いています。もちろん、「歌」中心の役でも、軽いダンス程度は訓練されます。しかしながら、もともと

歌とダンスの呼吸法には大きな違いがありますし、息が上がった状態で、歌を美しくスムースに歌う

ことはできません。その点、ブロードウェイのプロデューサーや、ディレクター、音楽ディレクターは

熟知しています。

そして、今回も、もちろん、Annaのケリー・オハラは、ニューヨークのメトロポリタン歌劇場で、オペレッタ「こうもり」のロザリンデや、「メリーウイドー」のハンナを演じたことがあるほどの、歌い手です。彼女は、ミュージカルや、オペレッタで求められる、「セリフ→歌」への自然な声の移行が、とりわけ優れています。また、英語のセリフはもとより、歌詞の、ディクションの素晴らしさには感心しました。  オペラの場合は、時として、「声」を第1に重要とするあまり、ディクションが犠牲になる場合があります。一方ミュージカルは、何を話しているか?何を歌っているか?が、絶対に観客に伝わらなければなりません。

ブロードウェイで見た「サウンド オブ ミュージック」でも、トラップ大佐を演じた、リチャード・チェンバレン(私たちの年代では、アメリカテレビドラマ ドクター クルデイア の主役を務めた俳優として知られています)が、「セリフ→歌」への移行の素晴らしさ、英語のセリフ・歌詞の明瞭さに感激しました。

我等の「渡辺 謙」王様も、この、「セリフ→歌」への自然さ、セリフの明瞭さは、素晴らしかったです。

彼を取材した、テレビのドキュメンタリーでも、英語の発音・発声訓練、歌唱訓練の様子が見られました。大変な努力だったのでは?と想像します。

クラシック音楽中心で過ごして来て、ミュージカルを、「娯楽」として位置付けていましたが、今回の

「王様と私」では、オペラ、コンサートと同じような、興奮と感激がありました。

それにしても、日本のミュージカルは、まだまだ、追いついていないな?と思います。「日本語」と言う

ハンディもあるのかもしれませんが。Kiki


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