ロメオとジュリエット [オペラ]

Romeo_et_Juliette_TokyoOpera.jpgシエクスピア原作の「ロメオとジュリエット」は、オリジナルの「芝居」の他に、「オペラ」「バレー」「音楽組曲」そして近年「ミュージカル」と、様々な分野で取り上げられています。


言葉の問題がある「芝居」(ストレートプレイ)と異なり、プロコフィエフ作曲のバレー「ロミオとジュリエット」は、音楽と踊りだけで見ている者を「ロメオとジュリエット」の世界に誘ってくれます。それは、この物語が世界一有名な、だれでも知っているラブストーリーであることも大きいでしょう。


幸運なことに、このバレーの伝説と言われる、ルドルフ・ヌレエフとマーゴット・フォンティーンの舞台を見たことがあります。フォンティーンはバレリーナのピークはすでに過ぎた、多分40歳後半(?)だったのではないかと思いますが、15歳か?の初々しいジュリエットにしか見えませんでした。バレーが、踊るテクニックだけでなく、音楽を感じ、その役に成りきり、場面場面で、ジュリエットの感じた事々が、観客の目と心に美しく感動的な印象を与えるものだと深く感じました。そしてフレエフは、登場した時から、美しい、ただひたすらジュリエットを愛する、「ロメオ」でした。


このバレーが優れているのは音楽です。冒頭の、キャプレット家とモンタギュー家の対立する若者たちの群舞の音楽は素晴らしいです。レナード・バーンスタイン作曲のミュージカル「ウエストサイド物語」幕開けの群舞は、このバレーに倣ったものでしょう。両方を、映像だけでなく、舞台で見ることも興味深いです。


そして、大好きな「ロメオとジュリエット」は、グノー作曲のオペラです。

フランス語のオペラであることと、ロメオ(テノール)とジュリエット(やや軽いソプラノ)、主役二人が

音楽的にも声楽的にも非常に難しいことで、日本で上演(海外の引越し公演も含め)されることが

あまりありません。

本日、東京オペラプロデュース製作のオペラ「ロメオとジュリエット」見ました。もちろんすべて日本人キャストです。主役の「ロメオとジュリエット」は私の観たなかのベストでした。声も姿も演技もこのオペラにピッタリで、日本人でこれだけできるのだ!と感心し感激しました。芝居の「ロメオとジュリエット」は20歳台(あるいは10歳代?)の初々しい俳優たちが演じることが可能ですが、オペラの場合、声も音楽も優れた早熟な才能のある歌手が出現しない限りそれは無理です。ある程度、声自身もテクニックも身に付き、それでいて、姿・演技が、(お腹の出っ張ったテノールのロメオはありえません。いくら声が出たとしても)ロメオらしく初々しくなければならないのです!

それは、ジュリエットにも言えます。25年くらい前、やはり日本人キャストのロメオとジュリエットのオペラを観た時、、コーラスが「可愛い、美しいジュリエット!」と讃えてジュリエットが登場する場面で、私は、ジュリエットのお祖母さんが登場したのか?と思いました。

そのようなわけで、オペラ「ロメオとジュリエット」はなかなか上演が難しいのかもしれません。

でも、今日は、ロメオ: 城 宏憲  ジュリエット:梅津 藍  のコンビとても初々しく素敵でした。

昨年のニューヨーク メトロポリタンオペラの、 ロメオ:Vittorio・Grigolo   ジュリエット:Diana

Damrau  この二人の塾年カップルより、ズッと、グノーの音楽が求める、清純な純粋な若いラブストーリーに声も姿も演技もフィットしていました。  Kiki  


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