街の音 [音楽]

Mejiro_MayerHall_Concert.jpg街の音が美しいなと感じたのは、ウィーンでした。もちろん都会ですから、、車の音、電車(ウィーンには路面電車があります)の音、人々のざわめき等が聞こえてきます。しかし、時々聞こえる教会の鐘の音、弦楽器や、木管楽器等の路上ライブの音楽、も電気を通したもので無く(もしかして条例で電気増幅機器の使用禁止されているのかもしれません)あくまで、アコースティックなものに限られれます。

そして、電車で30分も乗れば、ウィーンの郊外の田園地帯に行けます。そこでは、鳥の声などがはっきりと聞こえてきます。ベートーベンが「遺書」を書いたので有名な、ハイリゲンシュタットも電車で30分くらいの場所にあります。彼が住んだ家(ベートーベンは引越し魔でウイーンの中でも60回以上引越ししたと伝えられ、ウイーンのいたる処に、「ベートーベンの家」があります)のすぐ裏に教会があり、1日に数回時の鐘がなります。ベートーベンは、家からその鐘を見て、明らかに揺れていて、鐘が鳴っているのにかかわらず、自分の耳に音が聞こえてこなかった事で、自分の耳が聞こえないことを絶望的に知ることになります。

西洋キリスト教音楽は、元々は教会の中で歌われる聖歌から初まり、教会と言う石作りの内部で繰り広げられる「音空間」、残響や、倍音により、ハーモニーが生まれ、それらが発展して、今日の音楽にまで発達して来たと考えられます。現在は、日本のように、「キリスト教」とあまり密接では無い国々でも西洋音楽は普及しています。但し、音に関するセンスは、ウィーンの街の音に代表されるように、日常的なことで耳が培われると思われます。もちろん、自然の中に存在する、様々な音に接するのも大事です。それと、建物の中の音体験も加わって、耳のセンスは養われます。持論として、小さな頃からアコースティックな音に接する機会が多いほど、良い耳のセンスを持つことができるでしょう。

クラシック以外のライブに行く時、私は「耳栓」が欠かせません。それでも聞こえてくる音の強さに恐怖すら感じています。Kiki

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